酸化防止剤ってどんなもの?
どんな種類があるの?
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食品の酸化による害を防ぐために必要な添加物、酸化防止剤。
痛みを防ぎ、腐りにくくする保存料。フードの品質を安定させ、
フードを食べるペットに健康被害が出ることの無いように
フードに必要不可欠なものです。
どんなに良いフードでも、時間がたつと体に有害な過酸化物質へと
変化します。酸化したフードを体内に取り入れると、体の組織や臓器に
障害を起こし、老化を早めたり、ガンなどの生活習慣病の
原因になると言われています。
何より、おいしくないよね・・・・。
また、フードに酸化防止剤・保存料を添加することで
フードの品質を保ち、広く流通させ、安全に食べることができ
価格を安定させることができます。酸化防止剤や保存料があるおかげで
簡単に、またはお金持ちでなくても猫さんにごはんをあげることができます。
安全にフードを食べるために必要不可欠な酸化防止剤・保存料。
合成のものと天然型と呼ばれるものがあります。
怖い、毒性がある、と言われているものもあります。
合成の酸化防止剤・保存料です。
特に恐ろしい毒性があるものといわれているのが、
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)、
エトキシキンの3つの合成酸化防止剤・保存料です。
天然型と呼ばれるもので主に使われているのは
アスコルビン酸、トコフェロール、ミックストコフェロール
(トコフェロール混合物)などです。
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合成酸化防止剤・保存料について
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恐ろしい毒性があるとも言われている合成酸化防止剤・保存料。
怖いな〜、と思いつつそれが入っているフードをあげることは
できないので、私なりの調査と解釈をしました。
まずは、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)。
もともとガソリンの酸化防止のために合成されたもので
食品添加物としての指定は1954年で、BHTと同様
酸化防止の目的で食用油脂、バター、マーガリン、
ビタミンA油などの食品に対して広く用いられていた。
しかしラットによる実験で発ガン性が見いだされたので、
現在は、「油脂の製造に用いるパーム原料油および
パーム核原料油」に限り、使用が認められている。
その他の一般の食品には使用できない。
ただし、脂溶性ビタミンの酸化防止剤として、
サプリメントや医薬品に添加されている場合もある。
ペットフードでは油脂の酸化防止剤として使われている。
ラットの前胃で発がん性が見出されたものの、
豚・ビーグル犬・サル・魚類では発ガン性が見出されていません。
BHAによる発ガンが、人間には存在しない齧歯類の前胃に
限定されていること、前胃のないモルモット、犬、サル、豚では、
ラットのような発がん作用は示さないことから
猫も大丈夫なんじゃないかと判断できそうです。
ラットの前胃にガンが生じた実験では、飼料に2%という
おそろしく高濃度なBHAが添加されていたわけですしね。
天然の中にはカフェ酸、あるいはセサモールのように、
BHAよりもはるかに強力な前胃の発がん物質が
見出されています。特にカフェ酸に関して、リンゴ、
あるいはジャガイモの中に数百ミリグラム含まれ、
穀物、豆類にも含まれていてBHAの比ではないほど
猫さんが摂取しているけれど、野菜や果実などの摂取は
かえって発がんのリスクを下げるということも広く知られています。
アスコルビン酸と亜硝酸、
(つまり、ビタミンCと野菜またはビタミンCと唾液など、BHAと比較して
相当量、人間も猫も摂取している組み合わせです))
これをまぜてネズミに投与するとBHAよりも強い変化が
前胃に起こり、1年間で乳頭腫、あるいはがんができるという
事実もあるそうです。
強力な発ガン物質と言われることもあるBHAですが、
あまり心配には及ばない気がします。
それから、BHT(ブチルヒドロキシトルエン)。
BHTは他の酸化防止剤に比べ安定性に優れ
加熱に強いといわれている。 さらにクエン酸、
アスコルビン酸などを同時に少量添加すると有効性が高まる。
(phが低くなると効力が高まる)直接混和しにくいもの、
たとえば魚介塩乾品などには、エタノールに溶かして
噴霧する方法などがとられる。ラードに0.01%添加したとき、
酸敗の誘導期間を約2倍に延長するといわれている。
飼料添加物としては、動物性油脂などの酸化防止の目的で
使用されている。BHA同様、ペットフードでは油脂の酸化を止める
保存料として、ドライ・ウェット両方のタイプに広く使われています。
主原料はクレゾールとイソブレチンからなります。
食品添加物に認可されていることから安全性が高く、
少量で安定した効力を示すことから、安心できるものと判断できそうです。
そして、エトキシキン。
酸化防止剤として使用されるようになったのは
1940年石油の抗酸化剤として用いられたのがはじまりで、
その後油脂に対する抗酸化作用が認められたため、
1954年にアメリカで食品添加物として認められ、
日本では、飼料添加物として認められている物質。
エトキシキンについてベトナム戦争で使われた枯葉剤の原料と
言う人がいますが、 間違いです。
エトキシキンが枯葉剤に入っていたことは確かですが
枯葉剤の酸化防止剤として入っていたに過ぎず、
枯葉剤の主成分ではありません。
発癌性の疑われる物質で、日本ではリンゴや梨の収穫後に
リンゴの褐変防止用として使用されています。
日本では農薬登録されていませんが、食品などに対する
農薬残留許容量は食品衛生法のもとで設定されています。
食品添加物としての使用は次の食品にのみ許可されており、
使用量に制限がある。油脂、バター、魚介乾製品、
魚介塩蔵品、魚介冷凍品(生食用冷凍鮮魚介類および
生食用冷凍カキをのぞく)、鯨冷凍品(生食用冷凍鯨肉をのぞく)、
チューインガム、乾燥裏ごしいも。
アメリカでは、ドッグフードには150ppmまでの
エトキシキンが許容されています。
エトキシキンの主要生産者であるモンサント社による
最近の研究で、長期間にわたる中から
高レベルのフード中エトキシキ ンの使用による問題は、
肝臓酵素の血中濃度の緩やかな増加、および、
授乳中の雌犬の肝臓における正常赤血球代謝産物の
増加のみであることが明らかになりました。
生殖機能異常やその他の健康問題は一切発生してないのだそうで
臨床的重要性はまったくないと考えられます。
1997年7月に、FDA獣医医療センターは
エトキシキンの製造業者とペットフード産業に対して、
ドッグフードのエトキシキンの最大含有量を75ppmまで
減らすように要求する通達を出しました。
ペットフード協会は、より低レベルの量(30または60ppm)の
エトキシキンでも ドッグフードの十分な酸化防止剤として
効果があるかどうかを調べる研究を行っています。
FDA(米国食品医薬品局)では認可しています。
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合成酸化防止剤・保存料のまとめ
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BHTは食品添加物として認められており、エトキシキンは
食品衛生法での残留量の規定があることから安全性は高く、
日本で食品添加物として認可されたのが
1954年・1956年なら、50年もの使用実績があり、その間事故等
起きていないこと、使用量が微量であることなどを考えると
安心して使えるものだと判断できそうです。
BHAに関しては食品添加物の認可はされていないけれど、
ごく微量で効果が出るもののようで、使用量が少なく、
BHAは、食品添加物であるBHTと似ていることからも
心配には及ばないと思います。
個人的に思うことは、
「酸化したフードやカビの生えたフードは安全性の
確認されている合成酸化防止剤・保存料よりもずっと怖いし
健康被害が大きいことは確実」ということですが、
BHAとか、BHTとか、エトキシキンとか、
「安全が証明されたものならなんで製品に表示しないんだろ〜?」
とも思います。
合成酸化防止剤・保存料であるこれらの物質の安全性を
説明すると同時に、
「BHAによって、BHTによって、またはエトキシキンによって
酸化の防止をしています」と表示することで
安心してフードを購入することができると思います。
もっと酸化防止剤・保存料のこと、メーカーの表示説明が欲しい所です。
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天然型と呼ばれる酸化防止剤について
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天然型と呼ばれるもので酸化防止・保存料として使われているのは
主にアスコルビン酸、トコフェロール、ミックストコフェロール
(トコフェロール混合物)などです。
トコフェロールなどは天然物から抽出されるものもあります。
これらの物質は食材に含まれますが、人工的に作られているものが
ほとんどです。
アスコルビン酸はビタミンC、トコフェロールは
ビタミンEのことですが、過剰に摂取すると副作用の可能性もあります。
ビタミンCでは体内で代謝されてシュウ酸を作るので、結石の成分である
シュウ酸カリウムが生成される可能性があります。
ビタミンEは過剰に摂取した場合に胃部不快感、 下痢、 便秘、
まれに発疹が起こることがある(人間の場合)そうです。
しかし、猫さんの場合過剰摂取することもほとんどないでしょうし、
安全な酸化防止剤・保存料であるといえます。
酸化防止・保存効果はアスコルビン酸ではフードの開封後半日、
ビタミンEでは1ヶ月といわれ早めにフードを使い切ることが大切です。
フードの原材料、恐ろしいと言われる肉副産物・
4Dミートについて考えてみた。
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